Kチューブは、手足のむくみに対する圧迫療法に適した弾性包帯です。弾性ストッキングや弾性スリーブにくらべて、圧迫圧が低いため着用しやすく、弾性着衣の着用が難しい方にも使いやすい製品です。
Kチューブはサイズが豊富で、圧迫圧を調整できるのですが、複数のサイズが該当して、どのサイズを選べばよいか迷ってしまうこともあります。また、脚全体を圧迫しようとすると、足首、ふくらはぎ、太ももの周径の全てが適用周径範囲に収まるサイズが見つからないという場合もあります。
ここでは、Kチューブのサイズ選びについてお問い合わせを頂いた際、おすすめしているサイズの選び方をご紹介させていただきます。尚、Kチューブは、医療従事者の方にご相談の上、ご使用くださいますようお願い申し上げます。
Kチューブの圧迫圧
Kチューブを使用する場合は、腕や脚の周径を測り、その周径が適応周径範囲内にあるサイズを選びます。Kチューブは、適応周径範囲の中央値に近い周径で「約10mmHg」の圧迫圧になります。弱圧の弾性着衣の圧迫圧「18~21mmHg」の約半分の圧迫圧です。
着用する部位の周径が、適用周径範囲の上限に近い場合は、約10mmHgよりも強い圧迫圧がかかります。反対に、適用周径範囲の下限に近い場合は、圧迫圧は低くなります。
Kチューブ | 適用周径範囲 | (中央値) |
1号 | 12~28cm | (20cm) |
2号 | 15~32cm | (23.5cm) |
3号 | 17.5~37cm | (27.2cm) |
4号 | 20~42cm | (31cm) |
5号 | 24~51cm | (33.5cm) |
6号 | 30~64cm | (47cm) |
7号 | 35~76cm | (55.5cm) |
部位の周径を計測
Kチューブを使用する場合は、着用する部位が、適応周径範囲に収まっていないといけませんので、まずは、Kチューブを装着する部位の周径を測ります。ふくらはぎや太ももは、最も太い部分の周径を計測しましょう。腕の場合も、装着する部位の最も太い部分の周径を計測しましょう。
Kチューブを足に着用する場合
例えば、ヒザ下を圧迫したいと考えている場合に、ふくらはぎの周径が40㎝、足首の周径が18cmだったとします。この場合、3号は、適用周径範囲が「17.5~37cm」でふくらはぎが入りません。4号は、適用周径範囲が「20~42cm」で、足首の圧迫がほとんどない状態になります。そこで、足首とふくらはぎのどちらの圧迫を優先させるかを決めます。
仮に、ふくらはぎの圧迫を優先したい場合を考えると、ふくらはぎの周径が適用周径範囲内にあるサイズは、4号、5号、6号、7号になります。
周径に合うサイズが複数ある場合
圧迫を加えたい部位の周径が、複数のサイズに該当した場合は、適用周径範囲の「中央値」を目安に使うことをおすすめしています。4号と5号は圧迫圧は10mmHgより高くなり、5号と6号は、圧迫圧は10mmHgより低くなります。
適用周径に該当するサイズの中で、要望に合わせてサイズを決定していきます。圧力をしっかりかけたい場合は、4号か5号になります。初めて使用するので、ゆるめから試したいといった場合は、5号にするといった選び方になります。
Kチューブは折り返して二重にすると、圧迫圧が少し増します。圧迫圧が倍になることはありませんが、圧迫圧が低くなる部位や、圧迫圧を少し強めたい場合などにお試しください。
いずれのサイズを選んだ場合でも、足首の周径は、適用周径範囲より小さいため圧迫圧が低くなります。圧迫する部位の周径に差がある場合は、それぞれの周径に合うサイズのKチューブを使用することをおすすめしています。
1つのサイズでは脚全体を圧迫できない場合
脚全体を圧迫したい場合、ふくらはぎの周径と太ももの周径が、適用周径範囲に収まらない場合があります。そういった場合は、ふくらはぎと太ももで別サイズのKチューブを着用しますが、Kチューブが重なる部分にしわが寄らないよう注意しましょう。
Kチューブの使用についての注意点
Kチューブの使用については、装着によってリンパ液が心臓に戻る流れを阻害してうっ滞してしまうことがないようご注意頂き、医療従事者の方の指示のもとお使い頂きますようお願い申し上げます。
その他圧迫製品
「ソフィットVE サポート」は、圧迫圧が5~10mmHgで、膝下の圧迫を行う製品です。「ラバラバ2」は、足背から太ももまでを段階的に圧迫します。ハイソックスタイプの製品もあります。